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先日仕事の関係で、歴史精密画や軍装イラストで著名なイラストレーターN.R氏とお話しする幸運に恵まれました。

「最近、小学校で写生をさせなくなった」

氏によると、
戦後の学校の美術カリキュラムは、美術評論家が作ったもので、「自由」原理主義に侵されていて、積みあがる教育になっていない・・・とおっしゃるのです。

美術(絵画)の基本は、まず人や物、自然を正確に描くことであり、それをしないことは、国語で文字を習わない、算数で計算を習わないことに等しい。

写生は、ものを観察する技術が養える。また、絵という手段を通じて相手に正確に物事を伝える技術が養える。まずそこが美術の基本である。

それなのに、学校の美術教育は何も子どもに教えていないのに、やたらと自由に書かせることを推進している。
「心の中のものを自由に表現するのが正しい」
というイデオロギーに毒されていて、「自由」原理主義みたいなものだ。子どもがそれをやることは落書きと同じで、教育ではない・・・

そういう空気を美術評論家が作ったから、精密画の価値が不当に低く見られている。

とまあ、こういうお話でした。

精密イラストを仕事とされている氏のご意見なので、多少偏った部分があるのかもしれませんが、私としては非常に納得いくお話で、しかも勇気をもらえました。

というのも、私は現代美術を見てもあんまり感動できなくて、それよりもプラモデルの箱絵のほうが、私的にはよっぽど感動できるからです。
実はそれでよかったんですね。

評論家としては、職人的な素晴らしい絵よりも、わけのわからない現代美術に屁理屈をつけたほうが評論家として認められやすいので、そういうことを推進するんでしょうね。

でも、そのことが教育をゆがめちゃいかんです。

心の教育とか言いますが、心は教えて育つものじゃなくて「空気」で育つもの。教育カリキュラムは技術を教えることに徹するべきだと、私は思います。
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